
「国宝(下)花道篇」
著者:吉田修一/ 出版者:朝日新聞出版
「上」に続いて「下」も手に取りました。
本来、映像などのビジュアルで楽しむのが主流となっている歌舞伎。作者はそれを語り物のような、目の前の情景をテンポよく活写する文体を用いたため、どんな壮絶な事態からも美を引き出せてしまうという、なんとも見事な歌舞伎小説を成立させたのです。
主人公、喜久雄は芸の頂点へと登りつめようと、ただひたすらに芸だけのために生きてきた。その代償は家族やライバルに降りかかる幾多の不幸。彼がもつ圧倒的な美貌は彼を呑み込み、聴衆を置いてけぼりにするような独走劇を生み出すのでした。
そのような描写が登場する度に、喜久雄の思い、聴衆の表情、両者を隔てる空気感を思い描き、さらにはその解釈に深みを出そうと実写作品を早く見たいという焦りと期待を感じました。
(中学3年 A.N)
「栄東ブックマイスター」とは
AL(アクティブラーニング)の一環として「栄東ブックマイスター」があります。
生徒はさまざまなジャンルの本を自ら選び、読書を進めます。読み終えた後は、本校オリジナルの読書ノートに紹介文だけではなく絵やキャッチコピーをつけて、本の魅力や感動を他者に伝えます。
その中でも特に優れた紹介をした生徒には「栄東ブックマイスター」の称号が与えられます。