こんにちは。高校野球部です。
7月13日(日)に、全国高校野球選手権埼玉大会の初戦を迎えました。相手は同じ市内の進学校・県立浦和高校。11:25に栄東が先攻で試合が始まりました。
試合の前半はお互いが粘り合う展開。初回は両チームともランナーを出しつつも無得点。
2回表。1アウト2,3塁で、バッターはチームの元気頭の野沢(3年)。初回からいい守備を見せていた野沢が、今度はライト前にクリーンヒットで1点を先制。2塁ランナーがホームでアウトになるも、先制点に栄東の応援席も盛り上がります。
2回裏。浦和高校もチャンスを作り1点を返され、1-1の同点。
3回以降、お互いチャンスを作りながらピッチャーの力投で無得点に抑え、1-1のまま5回裏を迎えます。
ここで栄東に負傷者が出て、嫌な流れに。この流れを止められず5回に4失点、6回に2失点、そして7回に1点を取られて7回7点差コールド(1-8)が成立しました。
試合後には涙を流す選手も見られましたが、最後の挨拶では泥だらけのユニフォームに胸を張り、そして引退していく姿が見られました。
46期のこのチームは「自分たちで考え行動する」を高い次元で成し遂げたチームでした。練習メニューも、ベンチ入りメンバー・背番号も、試合のスタメンも、すべて自分たちで決めてきました。ノーサインで盗塁したり、エンドランをかけたり、セーフティバントをしたり、選手たちが自ら考えてプレーするチームでした。
そんなチームを象徴する出来事が、試合の終盤でありました。
7回裏、1アウト満塁、あと1点取られたらコールドが成立して試合が終了してしまう場面。キャプテンの田中(3年)がタイムを取り、選手がマウンドに集まります。そしてベンチに、伝令の選手を求めました。普通はベンチ(監督)から伝令を送りますが、マウンドから呼ばれたわけです。何かと思えば「『星(3年)を出してくれ』と監督に伝えてほしい」という田中からの「逆伝令」。野球を続けていた3年生で、唯一この試合に出ていなかった選手でした。
試合が終わってしまうかもしれないという極限の場面で、この判断、この心遣いができる3年生たち。まさに「自分たちで考え行動する」チームを象徴する出来事でした。
このようなチームだからこそ、1勝させられなかった悔しさが残りますが、この思いは47期生に受け継がれているはずです。
栄東46期野球部の9名のみんな、本当にお疲れ様でした。最後まで野球を続けてくれたことに感謝ですし、栄東野球部に新たな伝統を作ってくれたと感じています。今後は勉強に切り替えて、まずは受験での勝利を目指し、そしてよりよい人生を歩んでいってください。